この記事を読むとわかること

  • 鎌倉市の民泊をめぐる現状と、市が事業者に求めていること
  • 届出前に必要な「事前相談」と「自治会への周知」の具体的な進め方
  • 住民協定や市街化調整区域など、鎌倉特有の規制チェックポイント
  • ゴミ処理・騒音対策など、開業後のトラブル防止策
  • 家主不在型で必須となる管理業者への委託と定期報告の仕組み
目次

民泊について知る



「相続した鎌倉の物件を活用して、民泊で収益化できないだろうか」「不動産業の新たな柱として、鎌倉の民泊事業に参入したい」──そうお考えの方にとって、鎌倉は年間を通じて観光客が訪れる魅力的な立地です。

しかし、鎌倉市で民泊を開業するには、住宅宿泊事業法の届出だけでは足りません。鎌倉市は令和7年(2025年)12月に独自のガイドラインを策定し、自治会への事前周知や住民協定の確認など、鎌倉市独自の厳格なローカルルールを設けています。「手続きは自分でやれるだろう」と思って調べ始めたものの、関係する法律や相談先の多さに戸惑う方が非常に多いのが実情です。

この記事では、鎌倉市で民泊を始めたい不動産オーナーや物件所有者の方に向けて、ガイドラインの要点と届出手続きの全体像を解説します。

鎌倉市の民泊は「地域との共生」が最優先テーマ

神奈川県内で最多クラスの民泊集中エリア、鎌倉の現状

鎌倉市は、神奈川県内でも民泊施設が突出して集中しているエリアです。令和7年6月末時点で、神奈川県所管域の民泊施設428件のうち約35%にあたる151件が鎌倉市に集中しており、特に海沿いの地域に密集しています。

民泊の増加に伴い、深夜の騒音やゴミの不適切な排出、見知らぬ宿泊者の出入りに対する不安など、住民からのトラブル報告も増えています。観光庁の実態調査でも、家主不在型は家主居住型と比べて苦情を受ける割合が高いという結果が示されています。

2025年12月策定「鎌倉市ガイドライン」が求めるもの

こうした状況を受け、鎌倉市は独自のガイドラインを策定しました。市の方針は、「民泊が地域経済に貢献する可能性は認めるが、市民の生活環境が脅かされることは許容しない」というものです。鎌倉で民泊を成功させるには、法令遵守だけでなく、地域コミュニティとの関係づくりまで含めた運営計画が求められます。

届出前に必ずやるべき2つのステップ

ステップ1:鎌倉保健福祉事務所への事前相談

民泊の届出窓口は神奈川県鎌倉保健福祉事務所(鎌倉市由比ガ浜2-16-13)で、鎌倉市・逗子市・葉山町を管轄しています。

物件ごとに必要書類が異なるため、鎌倉市では事前相談を強く推奨しています。届出には住宅の登記事項証明書、間取りや設備を示す図面、消防法令適合通知書、欠格事由に該当しない旨の誓約書など、多くの添付書類が必要です。消防法令適合通知を取得するまでに別で2~3種類の届出が必要になります。

平日に保健所や消防署、市役所の各課を回る時間がなかなか取れない方にとっては、この段階から行政書士に依頼するメリットは大きいでしょう。

ステップ2:自治会・町内会への事前周知と説明会対応

鎌倉市ガイドラインの大きな特徴が、自治会・町内会への事前周知です

建物から周囲10mの周辺住民への書面周知に加え、施設が所在する自治会にも事業概要を届出日までに伝える必要があります。所在地の自治会が不明な場合は、鎌倉市地域のつながり課で確認できます。自治会長の連絡先を教えてもらい連絡を取りましょう。連絡先は個人情報の為、市が相手方へ連絡、先方が了承したのちに教えてくれることが多いため、時間がかかる場合があります。開業日が迫っているのであれば早めに行動しましょう。また、開業間近にする必要もなく、リフォーム前など近隣への挨拶が必要なタイミングで下記の情報を事前に周知しておくことでも可能です。

周辺住民への説明は以下の点を記載した書面等で行う必要があります。

周知に必要な事項

  • 事業を営もうとする者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)
  • 事業を営もうとする住宅の所在地
  • 事業の開始予定日
  • 問合せ先(担当者名及び電話番号)

鎌倉市市民防災部地域のつながり課 市役所代表 0467-23-3000(内線2311)

鎌倉市独自のルール──自治会への書面周知が必要

この自治会への事前周知は、住宅宿泊事業法には定められていない鎌倉市独自のルールです

一般的な民泊届出の手引きには載っていないため見落としやすいポイントですが、これを怠ったうえで鎌倉市では届出できませんので気を付けましょう。また、近隣住民や自治会長への周知をした際に説明会を求められた場合は、誠実に対応してください。

【民泊オーナー必見】鎌倉市の民泊における近隣住民の反対への対応と対策を行政書士が解説

鎌倉で民泊を始めたい方必見!近隣住民との良好な関係構築から、トラブル発生時の対応まで、民泊経営を成功させるための具体的なノウハウを行政書士が解説。地域と共生する持続可能な民泊事業のためのガイドラインをご紹介します。

報告書の作成

周辺住民、自治会または自治会長への周知が終わったら報告書を作成します。住宅宿泊事業の届出は各市区町村を管轄する保健所が管轄となっていますが、届出に必要な書類も若干の違いがあります。鎌倉市では神奈川県が定めている住宅宿泊事業届出書類一覧表に該当する書類すべて提出が必要です。

報告書に様式の定めはありませんが、下の3点を記入します。

必須項目

  • 周知日時
  • 周知先(名字だけでも問題ない)
  • 周知先からの問合せ内容(受けた問い合わせ内容と、回答を記載)

出典:神奈川県 事前の周辺住民への周知についての報告書【PDF版】【Word版】

物件件選びで見落としがちな鎌倉特有の規制

住民協定・自主まちづくり計画で民泊が禁止されていないか

鎌倉市内の多くの住宅地には、住民どうしで結んだ「住民協定」や「自主まちづくり計画」が存在します。これらの中に民泊の禁止・制限が含まれている場合があるため、物件の取得前に必ず確認が必要です。基本的には民泊を禁止する内容が定められていた場合には、事業を開始することは難しいでしょう。また、マンションや管理組合のある共同住宅では、管理規約で民泊を禁止している場合がありますので、確認が必要です。

住民協定に関する問い合わせ先 鎌倉市都市景観部建築指導課  0467-61-3586
自主まちづくり計画に関する問い合わせ先 鎌倉市まちづくり計画部土地利用政策課  0467-23-3000

市街化調整区域の物件は要注意──都市計画法との関係

鎌倉市内には市街化調整区域の物件も少なくありません。特に神社仏閣など「属人性を有する建築物」で家主不在型の民泊を行うと、都市計画法違反になるおそれがあります。そのため、市街化調整区域で民泊を行う為には、非常に高いハードルがあります。

開発審査課への事前相談に必要な書類と所要期間

市街化調整区域で民泊を検討する場合は、保健所への届出の前に鎌倉市開発審査課へ相談票を提出し、利用可否の確認が必要です。確認には約2週間かかり、位置図、公図写し、登記事項証明書、閉鎖登記簿謄本、配置図、各階平面図、許認可記録などの書類を揃える必要があります。専門的な内容になるため、個人で対応するのは困難でしょう。

*現在、弊所では市街化調整区域における民泊の手続きは承っておりません。

開業後に問われる運営管理力──ゴミ・騒音・路上駐車対策

民泊のゴミは「事業系ごみ」──家庭ゴミ集積所への排出は厳禁

民泊施設から出るゴミは「事業系ごみ」です。

宿泊者が近隣のクリーンステーションにゴミを捨てると「不法投棄」とみなされる可能性があります。廃棄物処理業者への委託か、燃やすごみに限り今泉クリーンセンターへの自己搬入が認められています。

ご自分で対応せず、住宅宿泊事業管理業者へ委託する場合でも、民泊から出たゴミの方法処分に関してしっかりと打ち合わせをしておきましょう。あくまで事業主はあなたであることを忘れないようにしましょう。

産業廃棄物(民泊ごみ)処理に関する問い合わせ先 鎌倉市環境部ごみ減量対策課笛田分室 0467-84-8706

閑静な住宅街ならではの騒音・喫煙トラブル防止策

鎌倉は閑静な住宅街が多いため、深夜の会話やキャリーバッグの音でも苦情につながります。宿泊者への具体的な注意事項の説明に加え、路上駐車防止のためのコインパーキング案内や、鎌倉市条例に基づく路上喫煙禁止区域の情報提供も必要です。

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鎌倉の災害リスクと外国人ゲストへの安全対策

津波・土砂災害ハザードマップの確認と備蓄の義務

鎌倉市は津波や土砂災害のリスクがある地域です。事業者は施設の災害リスクをハザードマップで確認し、災害が発生した時には、速やかに宿泊者がその情報を取得できるよう、予め取得方法を伝える必要があります。また、万が一の時に備え、飲料水や食料、非常用トイレ、ライトなどの備蓄もガイドラインでは求められています。

*民泊届出の必須事項ではありません

・『防災・安全情報メール』(鎌倉市)
・『鎌倉市公式LINE』(鎌倉市)
・『いざという時の鎌倉』(鎌倉市観光協会)

多言語マナー案内と災害情報アプリの備え付け

外国人ゲストには、騒音やゴミ出しなど日本の住宅地のマナーを外国語で案内する必要があります。多言語の書面やタブレット端末を居室に備え付け、災害時に役立つ「Safety Tips」などのアプリの案内も行うこと推奨しています。

*民泊届出の必須事項ではありません

家主不在型は管理業者への委託が必須──運営体制の整え方

管理業務の委託が必要になるケースとは

自分は別の場所に住んでいる、本業があって物件に常駐できない──こうした「家主不在型」の運営では、住宅宿泊管理業者への業務委託が法律上の義務です。宿泊者の滞在中に不在にする場合、または居室数が5を超える場合に、管理業務の全部を一つの管理業者に委託しなければなりません。

鎌倉市のガイドラインでも家主不在型には「より慎重な運営」が求められており、管理体制の構築は収益化の前提条件と言えるでしょう。

2ヶ月ごとの定期報告など、届出後に続く義務

開業後は、毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月の15日までに、前2ヶ月の宿泊日数、宿泊者数、延べ宿泊者数、国籍別内訳を報告する義務があります。宿泊者がゼロの月でも報告は必須です。届出事項の変更は30日以内に届出が必要で、事業廃止も同様です。届出をしない限り、稼働していなくても事業者としての義務は消えません。

まとめ──鎌倉で民泊を成功させるために

鎌倉市で民泊を始めるには、住宅宿泊事業法の届出に加え、市独自のガイドラインへの対応が不可欠です。保健所への事前相談、自治会への周知、住民協定の確認、市街化調整区域の事前審査、消防設備の整備、ゴミ処理体制の構築、管理業者との契約、定期報告──これらすべてをクリアして初めて、地域に受け入れられる民泊運営が実現します。

「手続きの全体像が見えない」「平日に何度も役所に行く時間がない」という方は、届出の専門家である行政書士への相談を検討してみてください。

当事務所では、鎌倉市・逗子市・横須賀市を中心に、民泊届出(住宅宿泊事業届出)および旅館業許可の申請代行を承っております。保健所との事前相談から、消防署・市役所各課との調整、届出書類の作成・提出まで、開業に必要な手続きをワンストップでサポートいたします。

初回のご相談は無料です。「この物件で民泊はできるのか」「届出と旅館業許可のどちらが有利か」など、まずはお気軽にお問い合わせください。

※この記事は2025年12月策定の鎌倉市ガイドラインおよび関連法令に基づいて作成しています。個別の事案については、市区町村の担当課、または行政書士等の専門家にご確認ください。


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外部リンク提案

参考資料

鎌倉市における住宅宿泊事業に関する ガイドライン 

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