鎌倉の古都の風情、葉山の美しい海岸線、逗子の穏やかな住環境。湘南エリアの魅力的な立地を活かして民泊を始めたいと考える方が増えています。観光庁の最新データによると、神奈川県内の民泊届出件数は着実に増加しており、特に観光地である鎌倉・葉山・逗子エリアは高い人気を誇っています。

しかし、いざ民泊を始めようとすると「特別な資格が必要なのでは?」「無資格で営業したら違法になるのでは?」といった不安を抱く方も多いのではないでしょうか。実際、インターネット上には様々な情報が溢れており、何が正しいのか判断に迷うケースも少なくありません。

この記事では、住宅宿泊事業法(民泊新法)を専門とする行政書士の立場から、民泊運営に必要な資格について分かりやすく解説します。結論から申し上げると、民泊運営に特別な資格は原則として必要ありません。ただし、運営形態によっては資格又は許可が必要となるケースもあり、また取得しておくと有利な資格も存在します。

この記事を読むとわかること

  • 民泊運営に資格が原則不要な理由と例外ケース
  • 住宅宿泊管理業者になる場合の資格要件
  • 簡易宿所として運営する際の注意点
  • 取得すると有利な4つの資格とその効果
  • 資格以上に重要な成功のポイント
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住宅宿泊事業法(民泊新法)の基本ルール

2018年6月に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)では、届出制を採用しており、特別な資格がなくても民泊を始めることができます。年間営業日数は180日以内という制限がありますが、家主居住型での運営であれば、宿泊者の安全確保や衛生管理、近隣への配慮などの義務を果たすことで運営可能です。

無資格で始められる条件

家主居住型での運営が基本条件です。宿泊者が滞在している間、家主(届出者)が同じ建物内に居住している形態であれば、特別な資格は不要です。
一方、家主不在型の場合は、住宅宿泊管理業者への管理委託が義務付けられています

ポイント解説

鎌倉・葉山・逗子エリアの現状

鎌倉市、葉山町、逗子市では、特別な民泊制限条例は制定されていません。(2025年7月現在)神奈川県で条例による制限があるのは箱根町が有名です。鎌倉市での民泊の届出は「神奈川県鎌倉保健福祉事務所」が窓口となっており、一般的な住宅宿泊事業法に基づく届出で民泊運営が可能です。

外部リンク:神奈川県保健福祉事務所一覧

民泊関連のビジネスで資格(許可)が必要になる3つのケース

1. 住宅宿泊管理業者として登録する場合

他人の民泊物件を管理してビジネスとする場合、国土交通省への登録が必要です。登録には以下のいずれかが必要です。

管理業者への登録には登録免許税9万円が必要で、5年ごとの更新時には手数料19,700円がかかります。

2. 簡易宿所(旅館業法)として運営する場合

年間180日の制限を超えて営業したい場合、旅館業法に基づく簡易宿所の許可を取得する選択肢があります。許可には以下の基準を満たす必要があります:

  • 客室の延床面積33平方メートル以上(宿泊者10人未満の場合は1人当たり3.3平方メートル)
  • 適切な換気・採光・照明設備
  • 入浴設備・洗面設備の設置
  • 消防法に基づく防火設備
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3. 特区民泊

民泊新法の180日制限を超える場合は、簡易宿所許可を取得するか、特区民泊エリアで民泊を運営する必要があります。ただし、鎌倉・葉山・逗子エリアは特区に指定されていないため、簡易宿所許可が現実的な選択肢となります。

特区民泊とは(民泊制度ポータル引用)

国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例、いわゆる「特区民泊(国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)」とは、外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき一定期間以上使用させるとともに、当該施設の使用方法に関する外国語を用いた案内その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供する事業として政令で定める要件に該当する事業とされています。東京都大田区をはじめとして、大阪府や大阪市など国家戦略特区の区域として指定された地域で取り組まれています。

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取得しておくと有利な4つの資格

宅地建物取引士

民泊運営への具体的メリット:

  • 物件選びでの優位性:立地による収益性の違いを正確に判断できます。駅からの距離、周辺環境、交通利便性などを専門知識で評価し、収益性の高い物件を選定できます
  • 契約交渉力の向上:物件オーナーとの賃貸借契約で、民泊運営に必要な特約条項の追加や条件交渉を有利に進められます
  • 法的トラブル回避:不動産取引に関する法的知識により、契約違反や近隣トラブルを未然に防げます
  • 投資判断の精度向上:周辺相場や将来性を踏まえた適切な物件選択ができ、投資リスクを軽減できます

取得費用・難易度:受験料7,000円、登録料37,000円程度、合格率約15%の国家資格

賃貸不動産経営管理士

民泊運営への具体的メリット:

  • 収益最大化:適切な宿泊料金設定と必要経費管理により、収益性を向上させることができます
  • 効率的な運営管理:清掃頻度の最適化、備品の耐用年数管理、メンテナンススケジュールの策定ができます
  • クレーム対応力:賃貸管理の経験を活かした適切なゲスト対応により、トラブルを最小限に抑えられます
  • 収支計画作成:詳細な事業計画書の作成により、金融機関からの融資や投資判断に有利になります

取得費用・難易度:受験料13,200円、登録料6,600円、合格率約30%の国家資格

民泊適正管理主任者

民泊運営への具体的メリット:

  • 法令遵守の確実性:住宅宿泊事業法、旅館業法、消防法など民泊関連法規を体系的に理解し、法的リスクを回避できます
  • ゲストからの信頼向上:プロフィールに資格を記載することで専門性をアピールでき、予約獲得に有利になります
  • トラブル予防:適切な事前説明とルール設定により、騒音や近隣トラブルを未然に防げます
  • 運営品質の向上:民泊に特化した実務ノウハウを習得し、ゲスト満足度とリピート率を向上させられます
  • ADR調停人の基礎資格:民泊関連トラブルの調停業務を行える資格の基礎となります

取得費用・難易度:認定講習料31,370円、登録料10,800円(2年ごと更新)、合格基準は非公開

管理業務主任者

民泊運営への具体的メリット:

  • マンション民泊の適正判断:管理規約の解釈と管理組合との適切な協議により、民泊可能性を正確に判断できます
  • 合法性の確保:区分所有法や管理規約への深い理解により、法的問題を回避した運営が期待できる
  • 共用部分の適切利用:エントランスや廊下などの共用部分の使用方法を適切に管理し、住民との共生を図れます
  • 管理費・修繕積立金の理解:マンション運営コストを正確に把握し、収支計画に反映できます

取得費用・難易度:約300時間の学習が必要な国家資格で、マンション民泊を検討する方には特に推奨

住宅宿泊管理業者の登録手続き

登録要件と費用

  • 個人の場合:前述の資格または実務経験が必要
  • 法人の場合:従業員の中に資格保有者または実務経験者が1名以上必要
  • 登録費用:登録免許税9万円、その他手数料含め総額約10万円
  • 処理期間:申請から登録完了まで約2か月

必要書類

  • 住宅宿泊管理業者登録申請書
  • 誓約書
  • 各種証明書(資格証明書、破産者でないことの証明等)

神奈川県での民泊届出手続き

届出先

  • 鎌倉市・葉山町・逗子市:神奈川県鎌倉保健福祉事務所
  • その他の地域:管轄する保健福祉事務所

必要な確認事項

  • 用途地域の確認(都市計画課)
  • 住民協定等の確認(建築指導課)
  • 消防法令適合の確認(消防予防課)
  • マンションの場合は管理規約の確認等
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成功のポイント

法令遵守の重要性

住宅宿泊事業法、消防法、建築基準法、各自治体の条例など、様々な法令を理解し適切に対応することが最重要です。法令違反は営業停止や刑事罰の対象となる可能性があります。

近隣住民との関係構築

民泊事業の持続的成功には、地域社会との良好な関係が不可欠です。事業開始前の説明会開催、宿泊者への事前案内の徹底、定期的な見回りや清掃が重要です。

専門家との連携

宅建士、行政書士、税理士、管理業者など、各分野での適切な専門家と連携し進めることでリスクを抑え、安定した経営が可能になります。

まとめ

民泊運営に特別な資格は原則不要ですが、事業形態によっては資格や許可が必要となります。また、地域の特性を理解し、法令遵守と近隣住民への配慮を最優先に、適切な準備を行うことが成功への鍵となります。

弊所では、鎌倉、逗子、葉山、横須賀、三浦エリアを主な対象エリアとして、民泊(住宅宿泊事業)を専門に行う行政書士事務所です。管理業者との連携もあるため、これから民泊を始めようと思っている方に、トータルでサポートができる体制を整えています。上記エリアで民泊を考えている方はぜひ弊所へお気軽にご連絡ください。

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住宅宿泊業届出(民泊)


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